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【コラム】ネット選挙は本当に「まだまだ」なのか



高橋 茂
高橋 茂

『ザ選挙』から『選挙ドットコム』への移行にともない、政党や関係者への挨拶に行くこともあるが、そこでは単なる挨拶から腹を割って本音を話し合うこともある。

ほとんどは、こちらの意気込みを理解してくれて協力を約束してもらえるのだが、「インターネットっていっても、まだまだメインのツールとしては使えないね」と本音が透けて見えることもある。

確かにそれは言えているのだが、メインのツールではないにしても、サブとして無くてはならないツールになっていることに、意外と現場は気がついていない。

たとえば、日本提供10周年を迎えた「Googleマップ」。自民党の福田峰之衆議院議員が、自身のGoogleマップ活用法を紹介した。
「Google マップ」なしの選挙活動は考えられない--自民党・福田衆院議員(CNET)

昨年行われた東京都知事選挙で、家入陣営ではGogoleマップをポスター貼りに活用し、独自のアプリケーションも開発した。それはまだ先進事例として紹介されるような話であったとしても、選挙にGoogleマップを使う例は増えてきているのではないだろうか。投票所の位置をGoogleマップ上にマーキングすることも、数年前から行われている

まだまだ紙が主流だとはいえ、ネットならではの便利さが活きてきて、明らかにメリットがデメリットを上回り、それが選挙結果に反映されるようになってくると、ネットを活用していない候補者は思った以上に票が伸びず、結果にも反映されるようになってくる。

『ネット選挙運動』というと、ウェブサイトやメールマガジンでの情報発信やSNSの活用だと思っている政治家もまだまだ多く、それは間違いではないが、店舗に例えると、店構えと商品と営業ツールの話をしていることになる。その活用法を考えるだけでも意義はあるのだが、店舗経営を行うということは、顧客管理や経理処理、スタッフ間の連絡網なども考えなければならない。選挙で言うと、スタッフ間のメーリングリスト(最近は使われるケースも減ってきている)や各種グループウェア、事務所運営、選挙経費管理などである。

「解禁」対象外のネット選挙ツール


現状のものをネットに置き換えていくだけでも、コスト削減や効果倍増など期待できるものもあるが、たとえばこう考えてみたらどうだろう。「『ネット選挙解禁』とは、実は選挙運動で禁止されていた一部のネット活用が解禁されたのであり、すでに使うことのできるいくつものツールが存在している」と。上記Googleマップもそのひとつであり、メーリングリストもそうだろう。動画配信方式はいくつもあり、パワーポイントやキーノートなどのプレゼンソフトで作ったものをネット配信するサービスもある。

公選法を多少かじったことのある人は、「ネット選挙解禁であれやこれが解禁されたので、その有効活用を考えましょう」となりがちだが、対象となっていなかったツールや活動事態を見直すだけでも、かなりの可能性が見えてきそうだ。

選挙に関係ないところにヒントが有る


もうひとつ。「選挙運動や政治活動と全く関係ないところにヒントが転がっている」と考えるのも良いかもしれない。

たとえば、クックパッドの仕組みを政治に活用したらどうなるか。または食べログやぐるなび、じゃらんや一休.com、カカクコムなどの仕組みを使ってみたらどうなるか、と想像してみるのである。スマートニュースやApple Musicも面白そうだ。

こうなると、想像力とセンスが試される。残念ながら、私には想像力は多少あってもセンスが無いので、「これだ!」というアイデアが出てこない。棺桶に片足を突っ込んだ初老のオッサンより、生まれた時からインターネット環境の中で育った若者の方が良いアイデアが出てきそうだ。

ネットとリアルの流れをイメージする


3つ目として、ネットからリアル、または逆の流れを考えてみる。一つの例としては、ウェブサイトのコンテンツを紙にしたときに、一部を手書きにしてみるとか和紙に印刷するとどうなるか想像してみる。表現は良いか。文字の大きさは?駅前を通る人たちにウェブサイトを知ってもらう仕掛けを考えたり、ネットでの呼びかけで街頭演説に動員をかける仕掛けを考える。

column20150718

背を向けていれば、そこが海だとも気がつかない



「ネット選挙が解禁されても実績に現れないよね」と、さも可能性が無いように話す人は多い。それは海に背を向けて「波の音は聞こえるけど、まだまだ海は見えないよね」と言っているようなもの。その場で振り向くだけで、その人の認識はまるっきり変わる。「振り向けば本当の姿が見えるかもしれない」「逆方向から見たら、全く違う可能性を見つけられるかもしれない」と思えるかどうかが、4年後の統一地方選いやこれからの選挙で、見えない票を獲得していくように思えて仕方ない。

 

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高橋 茂

高橋 茂 : ネット選挙アナリスト

2000年、電子楽器のエンジニアから政治とインターネットの世界へ。政治家のネット活用をサポートするVoiceJapan社を経営する傍ら、講演、執筆も行う。武蔵大学非常勤講師。選挙ドットコム顧問

Twitter : https://twitter.com/vjtaka

Webサイト : http://blog.voicejapan.jp/

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