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テクノロジーで変える政治と市民社会ーー世界の最新事例報告 〜シビックテックは選挙、政治、社会を変えるのか〜【イベントレポート】

2015/7/11

選挙ドットコム編集部

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こんにちは。選挙ドットコムCTOの佐藤哲也です。

7月10日に早稲田大学で行われた、「テクノロジーで変える政治と市民社会——世界の最新事例報告——」が開催されました。当初40人規模の会場を予定して募集したところ、2時間で満杯になり、今回の早稲田大学の大きな講義室を利用して開催となりました。この分野への高い注目があつまっています。イベントの前半は、6月上旬に米国で行われた世界最大規模のシビックテックイベントである、パーソナルデモクラシーフォーラム(以下PDF)に参加した3名の報告です。

PDF参加者3名による報告

01_朝日古田記者

はじめに、朝日新聞デジタル編集部の古田記者より、シビックテックとはなにか?といった簡単なブリーフィングがありました。シビックテック、聞いたことはあっても説明するのは難しい言葉ですね。平たく言えば技術を使って市民活動を豊かにするための活動といったところでしょうか。それにしても古田記者は早口です。

02_市川氏

次に、3年連続でPDFに参加されているという我が国のシビックテックの第一人者で、SocialGood小事典の著書もある株)ソーシャルカンパニーの市川裕康氏から、PDFの魅力と市川氏の注目したセッションについて報告がありました。市川氏によると、昨年はgov.ukのプレゼンが印象的だったが、今年は、アメリカのホワイトハウス、連邦政府からの報告が注目されていたという。

また、キーワードとして、Interested Bystanders(関心ある傍観者)の話題についても触れました。ある報告によれば、市民活動に参加しない人たちの多くは、必ずしも無関心というわけではなく、「関心あるが、参加方法がわからないために傍観している者」ということのようです。そんなInterested Bystandersにどうしたら参加してもらえるか、ということがシビックテックの大きな課題ですね。

03_藤井氏

続いて、マカイラ代表の藤井宏一郎氏。株式会社マカイラは、テクノロジーと文化と社会イノベーションにフォーカスしたコンサルティングを行っている会社とのこと。

2日間にわたり行われたPDFのセッションのエッセンスをとてもわかりやすくまとめた力作のプレゼンが印象的でした。スライドが公開されたらリンクを貼りたいと思います。スライドはこちら

今日の日本人のシビックテック(市民活動)の心象風景は3.14の震災にあるが、アメリカ人の多くにとってはウォール街占拠活動などで注目された経済格差ではないかというのが、藤井氏の提起する市民活動の問題意識のようでした。アメリカ社会はダイナミズムにあふれているが、その反面で競争性も強く、不安定な社会を作り上げてしまっているとのこと。

また、藤井氏はPDFで印象的な議論として、民主主義に対する危機感が強烈に議論されていたことをあげています。政治的信頼感が日本以上に低く、政治参加に偏りが見られる状況、一部のプロ化した政治参加者による政治が行われているという問題も大きいようです。

それらの問題に対して、シビックテックはどのようにして切り込めるのか。藤井氏によれば、分断されたプレイヤー間のインターフェース改善、オープン/ビッグデータによる効率化・可視化などの手法が寄与できるのではないか。という。また、PDFで報告のあったインターネットの先にあるテクノロジーとしては、ブロックチェーンとドローンがあげられるという。

後半はフロアも含めた活発なディスカッション

古田記者の小気味よい仕切りもあって、ディスカッションは大変盛り上がりました。また、以前PDFに参加したことのあるコードフォージャパン代表の関さんも飛び入り参加してもらいました。コードフォージャパンは技術の力で市民活動を支援していくための団体です。

ディスカッションの話題を簡単に箇条書きします。

・先進国共通の課題としてのInterested Bystanders

関心ある傍観者をどうしたら巻き込んでいけるか?その方法論について考える必要がある。

・シビックテックを支える財政的問題

IPOで短期間に圧倒的な富を蓄積できるアメリカの財団は潤沢な資金を持つのが羨ましくもあり、日本ではなかなか考えにくいという現実もある。

ただ、そこで思考停止しては良くない。ないなりに考えたいという意見も。

一方で、もっと日本のシビックテック団体もビジネスモデルを検討すべきという意見もありました。アメリカでは、コミュニティそのものをマネタイズするビジネスモデルも盛んになってきているそうです。

・シビックテック人材の問題=>中途半端(褒め言葉)な人材の問題

役所の一担当者ではなく、無給ボランティアでもない、給与等を継続的に得ながらシビックテックを推進できる人材がいることで活性化する事例もある。

政府と民間を行き来するリボルビングドアの有無が大きいのではないか。

専門性の発揮しやすいテック系の人材については、2枚目の名刺を持つ人もいる。多様な働き方が社会的に認められていく必要があるのではないか。

なお、今度のこのイベント参加者間では、フェィスブックグループなどを通じて、積極的に情報を提供していくということです。もし関心のある方がいらっしゃれば積極的にアプローチしてはいかがでしょうか。また、日本でもPDFのようなイベントをやりたい。という声もあり、今後のイベントも期待できそうでした。

もちろん、選挙ドットコムとしても、シビックテックを積極的に推し進められるよう頑張って行きたいと思います。

 

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